2018最近では日本経済の状況に失望することも少なくありません。
先行きの見えない不安に心を押しつぶされそうな時があります。
昔は親から
「いい大学に入って、いい会社に入るのが幸せ」とか
「なるべく会社は変わらず、勤め上げるのが大切」だとか
口がスッパくなるくらい言われました。
しかし「安定」とは縁がない社会に急速に変化して、その上隣国との軋轢に、外交情勢は不安定さを増すばかりです。
私たちは殺伐とした世の中で生きなくていくことを余儀なくされています。
心のよりどころがどこにもないのです。
そんな時に出会ったのが池上彰さんとダライ・ラマ14世の合同著書「これからの日本、経済より大切なこと」です。
経済の豊かさに物申す
この本を読んでいて私が強く感じたことは
「経済が豊かになれば、私達は幸せなのか?」
ということです。
経済が豊かになってから考えろと言われるかもしれませんね。
でもバブルが弾けるまでは経済は発展してました。今よりは窮屈ではなかったはずです。
私たちはそこから何かを学ぶことができたのでしょうか?
楽な仕事をしたい、遊んで暮らしたい。辛い思いも努力もしたくない「楽」に生きたい人が増えている気がするのは私だけでしょうか?
経済が豊かになり、欲望が満たされることを幸福だと考えている、そんな風潮が蔓延している気がします。
なぜ欲望が止まらないのでしょうか。
それは幸福感が[外部からの刺激」によるものだからです。幸福の源が外にあるので、常にそれを求めずにはいられません。逆に言えば、欲しがらなければ幸福になれない。つまり自分ひとりでは幸福感を感じられなくなってしまったのです。出典:池上彰氏とダライ・ラマ14世合同著書「これからの日本、経済より大切なこと」
そしてダライラマは足るを知ることが大切だと説いています。
100パーセント物やお金のことを考えるのではなく、物とお金は60パーセントにとどめて、40パーセントは内なる価値を高め、心によい変容をもたらすことを考えていただきたいと思います。
出典:池上彰氏とダライ・ラマ14世合同著書「これからの日本、経済より大切なこと」
私たちは外にあるものばかりに振り回され、幸福を追いかけてきた気がします。
幸福は自身の内から生まれるものです。そのことをずっと忘れていました。
だから景気が悪い、よい仕事がない、人間関係に恵まれない、愚痴ばかり生まれるんですよね。
地に足がついていないから薄っぺらで不安になる。
決めるのは自分です。働くのも、学ぶのも、誰かと結婚するのもしないのも、決めるのは私、私の人生なのです。
もっと自分の幸福について真剣に考えなくては。
自分の人生を一番に真剣に考える人が増えれば、日本は本当の意味で変わることができるのではないでしょうか。
隣国の軋轢に悩む日本、でも「日本の誇り」ってなに?
近年、日本は隣国の軋轢に悩んでいます。
特に中国との外交は厳しい状態が続いています
これも日本の経済力が落ちてきたことが要因のひとつです。責められるスキを作ってしまったのです。
では今後、日本のGDPが世界で一番になって、今以上経済が発展し、もっともっと経済大国になったら、隣国を圧倒したことになるのでしょうか?
「それみたことか」と言えれば勝ったことになるのでしょうか?
なにか違うなぁ・・・という気がします。
池上さんは日本について、日本の誇りについてこう話しています。
誇りを傷つけられたり、自信を失ったりするのは、歴史や現状を正しく知らないからではないでしょうか。そして、他国の人たちの誇りを傷つけ、反日感情に火をつけてしまう原因は日本の姿が正しく伝えられていないことにもあるはずです。
国内の政治がまとまらないときに、外に敵をつくるのは、古今東西を問わず、政治家の常套手段です。日本も中国も韓国も、お互いにそうしています。(中略)ネットという開かれた世界をせっかく手にしたのですから、ぜひ英語を勉強して、英語のブログで日本人として主張してください。でないと日本人にとってネガティブな情報ばかりが、面白おかしく英語で世界に出回ってしまいます。出典:池上彰氏とダライ・ラマ14世合同著書「これからの日本、経済より大切なこと」
そして最後にこのように締めくくっています。
おかしな方向に世の中を引っ張っていこうとする働きにまんまと乗せられないためには、まず事実を正しく知る力を、そして正しく伝える力を、自分の中に培うことが必要だと思います。
出典:池上彰氏とダライ・ラマ14世合同著書「これからの日本、経済より大切なこと」
幸福は内側に、でも視野は外に。
日本にはいい文化や思想、思いやりの心が残っています。
おもてなしの心があり、治安も非常にいいです。その他にもいいところは沢山あります。
FBもtwitterもあるんですから、日本のいいところを世界に向けて、小さくてもいいから発信しなくては!と思いました。
そしてもうひとつ、日本は成熟期に入ったのだと思います。
経済や物ではなく本当に価値あるものを求めて、個々が考える時がきたのです。
ひとりひとりが人生や、日本のことを真剣に考えて行動する時、本当の意味で日本はいい方向に変わっていけるのだと感じました。
道はけわしいけど、私に出来ることを模索しながら頑張ってみよう!そう新たに決意をさせてくれた池上さんとダライ・ラマ法王の言葉でした。